見知らぬ乗客 感想。


いろいろ記憶が鮮明なうちにってことで感想!

もちろん思いっきりネタバレてますのでご注意下さい。



ということで行って参りました。7月31日13時公演。

グローブ座自体も06年のフィルフェス以来で懐かしー!と思いながらグローブ座までの道を歩きました。


今回は2階席の一番後ろ中央寄り(席種で言うとS)の席だったんだけどまー近い!ていうか狭っ!

こんなに小さかったんだっけか、グローブ座って。


こんな距離で演じる二宮さんを見れるなんて…!と席に着いてまたも感動と緊張で動悸と息切れが起こりそうで、だけどこんな嬉しさの反面いくら何十公演あるとはいえこんな小さい会場の倍率ってどんだけ…とまた負の感情に襲われたり色々大変なことに。
でも見終わったあとは、この作品をグローブ座でやる意味がよくわかったんだけど。


と話逸れましたが。

音楽と映像で始まってすぐ、電車に揺られて寝ているブルーノとガイのシーンから始まるんだけど寝ているブルーノは当然も当然なんだけど何かもう二宮さんじゃないの!

何て言っていいかわからないけど台詞を発する前からブルーノなんだよね。

え…何か当たり前過ぎること言ってる?わたし。

わかってるんだけど言いたいの!(笑)


しかも起きたと思ったら早口でまくし立てるように話し出すブルーノにもう呆気に取られた。

滑舌超いいし。
あとでパンフを読んだらアメリカ人の役だから滑舌が良かったり言い回しが最初は違和感があるかも的なことをアッカーマンさんがおっしゃっていてなるほど、と思った。

とにかく最初のブルーノの印象は早口でよくしゃべる人、どこか馴れ馴れしいのに人懐っこさも感じるから断りきれない、だけど感情の起伏が物凄く激しくてやっぱりどこか変…だけど可愛らしさと色気がある、そんな人でした。

そしてこれも後々パンフを読んだら二宮さんのインタビューで「開始5分でブルーノ変…て思わせられるかどうか、開始5分が勝負」的なことを話していてまんまと掌で躍らされてる…!と思った(笑)


舞台構成上ブルーノとガイは殆どどちらかは必ずと言って言いほど舞台上に居て、もちろんブルーノ対ガイという場面も多くてこの二人のシーンを見るのがすごく好きだった。

もちろん内容的には楽しんで見れるものではないけどその関係性やお互いガチンコでぶつかって演じているのがすごく伝わってきて、それがすごく心地良かった。


そしてブルーノは驚くほど無邪気で純粋。

確かに「狂気」を感じる瞬間も何度もあって、ホントに恐ろしいとも思ったんだけど本当に殺人を犯してしまうのも、ガイに執拗に執着するのも、自分なら出来るという何の恐れもなくて、ガイが好き、ガイと仲良くなりたいというその一心…というかその感情に従って行動した結果、なのかなと思った。


で、ブルーノに追い詰められてガイも殺人を犯してしまうところで休憩を挟むんだけど。

休憩中あることに気が付いたわたし。


持って来た双眼鏡全く使ってない…。

もちろん思ってたより近かったっていうのもあるんだけど始まってから何よりストーリーに引き込まれてしまって使うことを全く忘れてました。

友達は一回だけ覗いたけど見え過ぎるよ、と苦笑していたので休憩明けてからすぐのシーンで覗いてみたらまー見える!!!(笑)

ちょうど(?)探偵に尋問を受けて煙草をふかしてるシーンだったんだけど見た瞬間「ひっ…!!!」(もちろん声は出してないよ^^)てなりました。
かなりのドアップでこれは見続けるの危険…!と身体が勝手に信号を送ってきたので結局その一回しか見ていません(笑)


舞台後半はブルーノがガイに執拗に接触しようとしたことで二人の繋がりや関係が段々と突き止められてしまって。

ブルーノはどんどん狂っていくしガイはどんどん精神的に追い詰められていくんだけど、対照的なようでやっぱり根底では繋がっていて遠いようで近く、近いようで遠い二人、というように感じた。


特に印象的だったのがバー(カフェか?)で二人が会うんだけどブルーノが零したお酒をガイが優しく拭いてあげるシーンだったんだけど。
その時のブルーノの表情が嬉しそうで幸せそうで、だけどちょっと切なくてなんて表情(と書いてかおと読む)するの…!と思った。


あとはやっぱりラストシーン。

ブルーノはアル中が酷くなって普通に歩くことも出来ないししゃべることもままならないんだけどガイに殺してくれって迫って銃で揉み合って死んでしまうんだけど、最高に狂ってました。<最高に褒めてます。

なんか何て言っていいかわからないけど二宮和也の真髄を見た…という感じなのかな。


その後駆け付けた探偵に問い詰められガイが自主(?)して終わるんだけど、普通ならスッキリする終わり…というかストーリーではないのかもしれないけどわたしはとてもスッキリした気分になれました。

やっと二人とも解放されたような気がして。


それから書くの忘れてたけど秋吉さんもすごい存在感で。
今回はストーリーの展開に絡んで来るようなそんなに重要な役どころではなかったと思うんだけど(ブルーノの心の寄りどころという意味では重要だけど)居るだけで華があるし、舞台そのものの質を上げてくれるような存在でした。


カーテンコールは4回かな?
一番はじめの時は幕が下りて演者さん達が出て来て、最後に二宮さん一人が舞台が回転して反対側から出て来たんだけど。
その後全員で挨拶する時も駆け寄ってきた内田さんと少し言葉を交わして笑いあっていてわたしがついさっきまで見ていたのは誰だったんだろうと思うくらいすでにいつものにーのでした。


舞台全体を通してみると、台詞を噛んでしまってる場面があったり(もちろんにーのじゃないよ)そういった点では完璧ではなかったのかもしれないけどそれを感じさせないくらい、舞台にストーリーが生きている感じがしてわたしは大満足で見終えることが出来ました。

これも二宮さんはじめ演者のみなさんの力なのかなぁと思います。

時には可愛らしく、時には色っぽく、本当に純粋で無邪気で、それゆえの「狂気」を持っているブルーノという一人の青年に出逢うことが出来ました。

素敵な舞台をありがとうございました!


ただ一つ残念だったのは、マナーを守れていない方がちらほら見受けられたこと。
こちらに詳しくは書きませんし、どういうスタンスで見ようと個人的には自由だと思っています。
が、やっぱり回りの人間が少しでも「ん…?」と思うような言動は控えて欲しいな…と思いました。
もちろんそれは自分にも言えることなので、気をつけていきたいなぁと改めて思いました。
最後にちょっと嫌なこと書いてすみません。


ということでかなーり長くなりましたが(苦笑)
ここまで読んで下さった方いらっしゃいましたらありがとうございました。


演じる二宮さんを生で体感出来て本当に幸せでした。
ちょうど折り返し?くらいですが残りの公演も怪我なく無事公演が成功することをお祈りしております!^^